それぞれ管轄省庁が異なり、入園可能な年齢も違います。

保育園

就業している親の代わりに保育を行う児童福祉法による施設です。対象年齢は0歳から小学校入学までになっています。
午前中から夕方まで最大11時間預けることが可能です。延長保育や土曜日も利用できるので、働くママさんにとって助かります。
ただし、保育園の就業時間によって保育短時間(1日8時間)となる場合も。
幼稚園と違い、保育園は教育を行っていないと思われがちですが、保育園でも管轄である厚生労働省の指針のもと教育が行われています。

費用

認可保育園の場合、所得に応じて自治体が定める費用となっています。
一方、認可外保育園は各保育園が定めた額となります。

メリット

  • 0歳から預けられる
  • 夏休み・冬休みがないので通年で預かってくれる
  • 認可保育園の場合、所得に応じて保育料が決まるので負担が軽くなる場合が多い

デメリット

  • 利用希望者が多いため、保育園に入れるとは限らない
  • 離職で保育を必要とする事由に該当しない場合、退園しなければならない

幼稚園

小学校入学前の学習を行う「幼児の心身の発達を助長すること」を目的にした教育施設です。対象年齢は3歳から小学校入学までになっています。
幼稚園によって教育のカリキュラムが異なり、他にも行事や給食、スクールバスなども違ってきます。また、保育園に比べ保護者参加型のイベントが多い傾向にあります。
預かり時間は午前中からお昼過ぎまでと短いのが特徴です(教育標準時間が4時間)。預かり保育を行っている幼稚園もあり、必要であれば長時間保育してもらうこともできます。
管轄は文部科学省です。

費用

2015年にスタートした「こども・子育て支援制度」により、2つのタイプがあります。
新制度に移行した幼稚園は、自治体から給付を受けるタイプです。保育料は世帯の所得に応じて自治体が設定した額になります。
新制度に移行していない幼稚園は、従来の方式で園を運営します。この場合、保育料は各園が自由に定めた負担額となります。

メリット

  • 教育方針が園によって違うので選択肢が広い
  • おけいこや塾に通いやすい

デメリット

平日に行事があったり、お弁当づくりがあったりと保護者の負担がある

認定こども園

2006年に発足した教育・保育を一体的に行う幼保一体型施設です。管轄は内閣府になっています。
対象年齢は0歳から小学校入学前までです。共働きのために3号認定で入園したこどもが、親の離職で1号認定になっても退園せずに通えます。
認定こども園には4つのタイプがあり、それぞれ基準が異なります。

費用

保育料は所得に応じて決まります。認可保育園と同じ仕組みで0円から国が定めた上限の幅で、各自治体によって設定されます。
保育園へ通っていた家庭には違いはありませんが、幼稚園から認定こども園に転換する場合は注意が必要です。
一律で決まっていた幼稚園費用が所得によるものとなるので、保護者間で費用負担に差が発生する恐れがあります。
このような事態で、大きな差が出ないように国から各自治体へ指導されています。

メリット

  • 保育園の保育と幼稚園と教育が一体となって受けられる
  • 保護者の就労、離職にかかわらず、通える
  • 所得に応じて保育料が決まるので、負担額が軽い

デメリット

  • まだ数が少ない
  • 保育園と同様希望者が多く、通えるとは限らない。

認定こども園のタイプについて

保育園並みの長時間保育と、幼稚園の教育を取り入れている認定こども園には4つのタイプがあります。

幼保連携型

幼稚園教育と保育園の保育をバランスよく併せ持つタイプです。長時間保育も可能になっています。

幼稚園型

既存の認可幼稚園に保育園の機能が追加されたタイプです。長時間預かりや0~1歳児の保育もできるようになっていますが、基本的には幼稚園と同じ位置づけで幼稚園教育要領に基づいた教育が行われます。

保育所型

既存の認可保育所が幼稚園の機能が追加されたタイプです。専業主婦のお母さんでも利用可能で、広く児童を受け入れています。保育園として位置づけられており、保育所保育指針に基づき保育が行われます。

地方裁量型

保育園・幼稚園どちらでもない認可外の保育施設です。認可はありませんが、実際の保育・教育内容は認定こども園と同様となります。
駅ナカやオフィスビルなどにも開設されるタイプです。

施設を利用するには認定区分を受ける必要がある

保育園や幼稚園、認定こども園を利用するには自治体から認定を受けなければいけません。認定はこどもの年齢や保育を必要とする事由によって1号、2号、3号の区分に分けられます。
保育を必要とすると事由とは以下の通りです。

  • 就労
  • 求職活動中
  • 就学や職業訓練中
  • 妊娠・出産
  • 保護者の病気・障害
  • 親族の介護
  • 虐待やDVの恐れがあるなど

ただし、待機児童の多い地域では保育認定されても入所できるとは限りません。
そのため、フルタイムで働くママさんが優先される傾向にあるようです。

こどもが0~2歳

保育を必要とする事由に当てはまる場合は3号認定となりますが、事由に当てはまらない場合、認定は受けられません。
ただし、必要に応じて一時預かりは利用可能です。

こどもが3歳~小学校入学前

保育を必要とする事由に当てはまる場合は2号認定となり、当てはまらない場合は1号認定となります。

預け先の選び方

こどもの預け先を選ぶにはまずは、預けやすいかどうかです。保育園と幼稚園は利用時間が違います。長時間の保育が必要な場合、預かってもらえるかが重要です。
こどもを預ける理由や家庭の事情に合わせて、延長保育や土曜保育が可能か確認しておきましょう。
また、自宅からの距離や送迎バスが利用可能かなど、負担の少ない形で預けられるかもチェックしておきたいところです。

保育料も預ける上で大切な要素です。幼稚園ごとに保育料の規定が違います。保育園や認定こども園は所得やこどもの人数によって異なります。
自治体で補助制度を設けているところもあるので、一度調べておくといいでしょう。
保育料以外にも入園料や備品代が必要な場合もあります。こちらも自治体で異なるので注意してください。

入園時期

働くママ、これから働きたいママは、保育園なら5か月前、幼稚園なら4月の10か月前には動かなければなりません。
保育園は途中入園が待機児童の問題もあり、かなり難しいためこれから働きたいママは保育園探しを優先したほうがいいでしょう。
また、幼稚園の場合、教育方針が違うため内容を検討する必要があります。
保育園と幼稚園、小学校に上がってからの学力差があるのではないかと心配するママさんもいますが、実際のところ半年ほどで皆同じになるそうです。
保育園や幼稚園、認定こども園どちらに預けるかどうかは働くスタイルから選ぶようにするといいでしょう。

まとめ

認定こども園ができる前は、就学前のこどもの通う施設の位置づけが専業主婦家庭は幼稚園、共働き家庭は保育園と決まっていました。
それぞれの目的が違うため、保育時間や入園可能な年齢などさまざまな違いがあったためです。
しかし、認定こども園ができてからは、位置づけも変わってきています。
ただし、待機児童の問題が解決していない地域も多く、働くママにとってこどもを預けられない状況が続いています。
働くママも、専業主婦のママも、保育園、幼稚園、認定こども園それぞれの特徴を知ることが大切です。

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